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環境内へ放出された合成化学物質の大半には、天然物質同様、ヒトをはじめとする動物の内分泌を攪乱する作用がある。
ウィングスプレッド宣言(1991年)より 長尾力訳
発達障害の原因は、化学物質にある。
異論があることは承知の上である。遺伝説、刷り込み説など、諸説を否定することは現状では不可能であろう。
それでも敢えて化学物質原因説にこだわらざるを得ない。動物実験がそれを示唆するとともに、ヒトを対象とした研究も同じ傾向を示すからである。
野生動物への影響は、上記宣言で既に指摘されている。齧歯類などの実験も「奪われし未来」出版後、急増した。また、平成20年には、霊長類での実験結果が公表された。
更に、平成21年には、胚性幹細胞(ES細胞)を使い、化学物質が胎児に与える影響を評価する研究が開始される。(国立環境研究所)
化学物質は、合成化学物質と元素とを意味する。
ビスフェノールA、PCB(ポリ塩化ビフェニール)などの合成化学物質を化学物質と説明されるのは理解しやすい。これに対して、水銀、カドミウムなどの元素を化学物質とするのは、素人目には理解しにくい。
とはいえ、上記宣言や一部法律では、このように分類しているので、本サイトもこれに従うこととする。
開設当初、有害重金属が発達障害の原因とする前提を置いた。合成化学物質を付加する点は異なるが、大幅な方向転換にはならないと考える。
原因物質を付加することは、しかし、膨大な数の合成化学物質を追加することを意味する。現代生活に関わりの深い合成化学物質は、万単位の種類があり、EU(欧州共同体)が危険性を指摘する物質だけでも数十種類を数える。
原因物質が多数であれば、症状も多様である。自閉症スペクトラムと言われるように、多面的な症状が表れるのも、このあたりに原因があるのかもしれない。
ビスフェノールA、PCB、水銀などの研究は、他の化学物質に比べて進んでいる。
「(略)ヒトのPCB曝露や動物実験により、発達期PCB摂取量と相関した血中TH(甲状腺ホルモン)濃度の低下が報告されている。また、TH補充により、PCBによる脳発達障害の一部が補正されることも確認されている。」 鯉淵典之ほか。状腺ホルモンによる遺伝子発現とPCB類によるかく乱 BRAIN MEDICAL 2004年12月号所収
これらの研究結果が治療法の確立につながることが期待される。しかし、研究者の視点は概して創薬などの手法に傾くように思える。
化学物質が原因であれば、原因物質の摂取を止めることが第一の対策である。医食同源とはいえ、この対策は医師の念頭には浮かびにくいのかもしれない。
親の努力が期待される所以である。
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